相続税の配偶者控除|計算式や注意点を税理士が解説
相続税の配偶者控除は、配偶者が相続した財産に対して相続税の負担を大幅に軽減できる制度です。
今回は、相続税の配偶者控除を利用するときの計算式や注意点について税理士が解説します。
相続税の配偶者控除の計算式
配偶者控除を利用する場合、1億6,000万円、または法定相続分までの財産について、いずれか大きい方の金額まで相続税が免除されます。
具体的な計算式は以下の通りです。
■法定相続分が1億6,000万円以下の場合
配偶者が取得した相続税の課税対象額-1億6,000万円
配偶者が取得した課税対象額が1億6,000万円よりも低ければ、相続税は免除されます。
1億6,000万円を超えた場合には、超えた部分に対して相続税がかかります。
■法定相続分が1億6,000万円を超える場合
①遺産×法定相続分の割合(※)=法定相続分
※法定相続分の割合は、相続人の組み合わせによって異なります。
②配偶者が取得した相続税の課税対象額-法定相続分
配偶者が取得した課税対象額が法定相続分を下回った場合には、相続税を支払わずにすみます。
法定相続分を超えた場合には、その額に応じて相続税の税率が適用されます。
相続税の配偶者控除の注意点
相続税の配偶者控除を利用する場合の注意点としては、次のようなものがあります。
- 法律上の配偶者である
- 遺産の分割方法が決定している
- 相続税の申告をしている
法律上の配偶者である
相続税の配偶者控除を利用するためには、被相続人と法律上の夫婦である必要があります。
この場合の配偶者とは、役所に婚姻届を出している法律上の婚姻関係にあるということをいいます。
事実婚や内縁関係、同性カップルによるパートナーなどは法律上婚姻関係にはあたらないので、配偶者控除を利用することができない点に注意が必要です。
遺産の分割方法が決定している
相続税の配偶者控除を利用する場合の注意点として、原則として遺産の分割が完了している必要がある点が考えられます。
というのも、配偶者控除の計算には、配偶者が実際に相続した遺産額をもとにして計算するからです。
相続税の申告をしている
相続税の配偶者控除を利用する場合の注意点として、実際には相続税を支払わなくても、申告は行わなければならないことが挙げられます。
配偶者控除は、自動的に免除されるのではなく、相続税の申告期限までに手続きを行わなければなりませんので、注意しましょう。
まとめ
相続税の配偶者控除は計算式をもとにして算出されます。
そのため、税に関する知識がないと、正確な控除額が算出できなかったり、手続きの際にスムーズに進められない場合もあります。
二次相続のこともあるので、配偶者控除や相続税などについてお困りの方は税理士に相談することを検討してみてください。
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髙岡 和人Takaoka Kazuto
青森県十和田市を中心に地域の皆様の身近な税務・法律のエキスパートとして豊富な案件に携わり研鑽を積んでまいりました。
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- 所属
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- 東北税理士会十和田支部
- 青森県行政書士会十和田支部
- 青森県FP協会十和田支部
- 経歴
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- 福岡県鞍手郡小竹町(昭和27年2月)生まれ
- 高校卒業後税務署に勤務 専修大学商学部卒業
- 東京国税局管内 練馬・相模原・渋谷・王子税務署勤務
- 仙台国税局出向 十和田・八戸税務署勤務
- 平成5年8月十和田市で税理士事務所開業
- 税務署では、所得税・源泉所得税・法人税を担当
- 趣味は旅行、写真、ビデオ、ドローン撮影、乗馬 流鏑馬

舘花 満弘Tatehana Mitsuhiro
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- 青森県八戸市(昭和44年6月)生まれ
- 高校卒業後税務署に勤務 青森県立八戸高校卒業
- 仙台国税局管内 八戸・黒石・むつ・青森・仙台国税局
- 東京国税局・仙台南・盛岡・仙台中・十和田の各税務署
- 国税局勤務
- 令和3年7月 髙岡和人税理士事務所に後継者として勤務
- 税務署では、法人税を担当
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