M&Aにおける買い手側・売り手側それぞれのリスクとは

M&Aは企業合併や買収のことであり、競争力の強化や事業の拡大などさまざまな目的で行われます。

買い手側・売り手側それぞれのリスクを知っておくと、リスクを最小限に抑えることができます。

この記事ではM&Aを実行する際の売り手側と買い手側のそれぞれのリスクを解説していきます。

M&Aを実行する際の買い手側の3つのリスク

M&Aを実行する際の買い手側のリスクは以下のものがあります。

• 対象企業を高い値段で買収するリスク
• 未払い給与や未消化の有給休暇の問題
• 優秀な人材が抜けるリスク

ひとつずつ解説していきます。

対象企業を高い値段で買収するリスク

買い手側の企業にとっては、最も懸念されるリスクといえます。

買い手側は企業を買収する際にさまざまな調査を行い、買収金額を決定します。

しかし、簿外債務や保証債務といった状況を見逃して、買収価格を設定する場合もあります。

未払い給与や未消化の有給休暇の問題

買収前に存在した経営姿勢のリスクは、買収後にも大きなリスクとなります。

経営姿勢のリスクとは未払い給与や未消化の有給休暇などを指し、買収前の調査で見逃してしまう場合もあります。

優秀な人材が抜けるリスク

M&Aが成功したとしても、人材が流出するリスクがあります。

M&Aは、そのまま基本的には従業員や雇用条件などはそのまま引き継ぐことになりますが、経営権が買収した企業に移り、体制が大きく変わったなどのようなことがあると辞める方も少なくありません。

辞めた方が優秀な人材である場合、事業の運営に大きな影響がでることもあります。

売り手側の3つのリスク

売り手側のリスクは以下のものがあります。

• 買い手が見つからない
• 買い叩かれる可能性がある

ひとつずつ解説します。

買い手が見つからない

売り手側の企業が持つリスクとして、買い手が見つからないことが挙げられます。

買い手がいなければ、買収は成立しません。

経営が悪化している場合は、買い手が見つからずに廃業になることも少なくありません。

買い叩かれる可能性がある

売り手側の企業の売却するタイミングや市場動向などによっては、不利な条件でM&Aを受けなければならないリスクがあります。

売り手側が相場よりも安値で売却されることを避けるには、自社の企業価値を正確に知っておく必要があります。

まとめ

M&Aでは財務リスクの発見が重要になり、買収のリスクを大きく減らすことにつながります。

M&Aの財務リスクを発見できるか不安な場合には、税務や会計の専門家である税理士への依頼などを検討するといいでしょう。