髙岡和人税理士事務所 > 事業支援 > 事業承継税制の要件やメリット・デメリット

事業承継税制の要件やメリット・デメリット

中小企業の事業承継では、自社株式の相続に伴う多額の相続税負担が課題となっています。

事業承継税制は、後継者が非上場株式を相続した際の相続税負担を猶予する制度です。

今回は相続による事業承継税制の適用要件やメリット、デメリットについて解説します。

事業承継税制とは

事業承継税制は、中小企業の円滑な承継を支援するため、後継者が先代経営者から非上場株式を相続した場合に相続税の納税を猶予する特例制度です。

制度には一般措置と特例措置の2種類があります。

一般措置では対象株式の3分の2までについて相続税の80%が猶予されます。

特例措置では全株式が対象となり、相続税の100%が猶予される点が大きな特徴です。

特例措置を利用するためには、2026年3月31日までに特例承継計画を都道府県知事へ提出し、認定を受ける必要があります。

なお、相続や贈与を実行できる特例措置の適用期限は2027年12月31日までです。

適用を検討する場合は、期限を踏まえて早めに準備を進めることが重要です。

相続による事業承継税制の適用要件

事業承継税制の適用を受けるには、会社、先代経営者、後継者それぞれが一定の要件を満たす必要があります。

さらに、納税猶予を継続するための条件も定められています。

会社側の要件

主な要件は以下のとおりです。

 

・中小企業者であること 

・非上場会社であること 

・風俗営業会社でないこと 

・資産管理会社に該当しないこと 

・特例措置の場合は特例承継計画の提出と認定を受けること 

 

資産管理会社とは、特定資産が総資産の70%以上、または特定資産の運用収入が総収入の75%以上を占める会社を指します。

通常の事業会社であれば問題ありませんが、事前確認が重要です。

先代経営者と後継者の要件

先代経営者は、相続開始直前に会社の代表者であり、同族関係者の中で最も多くの議決権を保有している必要があります。

後継者は、相続開始直前に役員であったことが求められます。

さらに、相続税の申告期限時点で代表権を有し、同族関係者中で最多の議決権を保有し、議決権割合が50%を超えていることが必要です。

特例措置では最大3名までの後継者が同時に適用を受けることができます。

納税猶予を継続するための要件

認定後も猶予を維持するための継続要件があります。

 

・後継者が代表権を保有し続けること 

・対象株式を継続保有すること 

・会社が事業を継続していること 

・毎年継続届出書を提出すること 

・雇用を維持すること 

 

一般措置では5年間平均で相続時の雇用の80%以上を維持する必要があります。

特例措置では雇用要件を満たせない場合でも、理由書の提出により認定が継続されます。

事業承継税制のメリット

事業承継税制を利用するメリットは、以下のようなものがあります。

相続税の納税猶予により資金流出を抑えられる

最大のメリットは相続税負担の軽減です。

特例措置では相続税の100%が猶予されるため、多額の納税資金を準備する必要がありません。

自社株式の評価額が高い場合でも、事業資金を維持したまま承継を進められます。

自社株式の分散を防ぎやすい

事業承継税制を活用することで、後継者が株式を集中して保有しやすくなります。

納税資金確保のために株式を売却する必要がなくなり、経営権の安定につながります。

円滑な事業承継を実現するうえで重要な効果といえます。

事業承継税制のデメリット

一方で、事業承継税制にはいくつかのデメリットもあります。

継続要件を満たさない場合の取消リスク

事業承継税制の継続要件を満たせなくなった場合、事業承継税制の認定が取り消される可能性があります。

その場合、猶予されていた相続税に利子税を加えて納付しなければなりません。

代表権の維持や株式の継続保有、雇用維持などの要件があるため、会社経営に一定の制約が生じます。

事業承継税制を適用している間は、これらの要件を意識した経営が求められます。

手続きが複雑で事務負担が大きい

特例承継計画の作成や都道府県知事の認定、相続税申告時の手続き、毎年の継続届出など、事業承継税制の手続きは複雑です。

適用後も継続的な管理が必要であり、事務負担は小さくありません。

制度を適切に活用するには、専門家の支援を受けることが重要です。

まとめ

事業承継税制は相続税負担を大幅に軽減できる有効な制度ですが、厳格な継続要件や複雑な手続きが伴います。

特例措置の特例承継計画提出期限は2026年3月31日です。

制度活用を検討している場合は、早めに税理士へ相談し、計画的に準備を進めることをおすすめします。

よく検索されるキーワード

Search Keyword

資格者紹介

Staff

髙岡 和人先生

髙岡 和人Takaoka Kazuto

青森県十和田市を中心に地域の皆様の身近な税務・法律のエキスパートとして豊富な案件に携わり研鑽を積んでまいりました。

相続税、贈与税、事業承継、農業経理、事業支援に関するご相談なら、経験豊富な当事務所にご相談ください。

所属
  • 東北税理士会十和田支部
  • 青森県行政書士会十和田支部
  • 青森県FP協会十和田支部
経歴
  • 福岡県鞍手郡小竹町(昭和27年2月)生まれ
  • 高校卒業後税務署に勤務 専修大学商学部卒業
  • 東京国税局管内 練馬・相模原・渋谷・王子税務署勤務
  • 仙台国税局出向 十和田・八戸税務署勤務
  • 平成5年8月十和田市で税理士事務所開業
  • 税務署では、所得税・源泉所得税・法人税を担当
  • 趣味は旅行、写真、ビデオ、ドローン撮影、乗馬 流鏑馬
舘花 満弘先生

舘花 満弘Tatehana Mitsuhiro

持ち前の明るさと”大きさ”を生かして、相談しやすい雰囲気でお迎えします。

おひとりで悩まず、お気軽にご相談ください。

所属
  • 東北税理士会十和田支部
経歴
  • 青森県八戸市(昭和44年6月)生まれ
  • 高校卒業後税務署に勤務 青森県立八戸高校卒業
  • 仙台国税局管内 八戸・黒石・むつ・青森・仙台国税局
  • 東京国税局・仙台南・盛岡・仙台中・十和田の各税務署
  • 国税局勤務
  • 令和3年7月 髙岡和人税理士事務所に勤務
  • 税務署では、法人税を担当
  • 趣味は、乗馬を開始

事務所概要

Office Overview

名称 髙岡和人税理士事務所
資格者氏名 髙岡 和人(たかおか かずと) 舘花 満弘(たてはな みつひろ)
所在地 〒034-0001 青森県十和田市三本木字千歳森131-1
連絡先 TEL:0176-25-4140/FAX:0176-25-4148
対応時間 平8:30~17:00(事前予約で時間外も対応可能です)
定休日 土・日・祝(事前予約で休日・も対応可能です)